§B. 既存技術の限界¶
現場で最も身近な ISPF スタッツの限界、本ツールが扱うデータ単位を整理する。
B-1. ISPF スタッツでは追えない¶
| 限界 | 内容 | 本ツールへの含意 | 出典 / 根拠 |
|---|---|---|---|
| RECFM=U には付かない | ロードモジュール (RECFM=U) には ISPF スタッツが付与されない | アプリ実行領域の変更追跡には使えない | 公式メッセージ zOS31_f54mc00 (S11) |
| Reset Statistics で改竄可能 | ISPF Edit 上で手動で消去・改竄が可能 | 「最終更新者・最終更新時刻」が信頼できない | 公式マニュアル zOS31_f54u200 (S10) |
| 「何を変えたか」は追えない | 更新者・時刻のメタデータのみ。中身の差分は記録されない | 「3 日前の中身は何だったか」が再現できない | ISPF メタデータ仕様 (S10, S11) |
§B-1 の含意
ISPF スタッツは「誰が・いつ」の補助的指標としては有用だが、変更管理の主要メカニズムにはならない。
本ツールは ISPF スタッツに頼らず、PCOMM 経由でメンバ本体を取得し、Excel 側で完全な差分履歴を保持する設計とする。
B-2. 本ツールの取扱単位は PDS/PDSE のメンバ¶
| 形式 | 概要 | 本ツール扱い |
|---|---|---|
| PDS | Partitioned Data Set。固定形式の区分データセット。メンバ単位で読み書き可 | 対象 (テキストのみ) |
| PDSE | PDS の内部構造改良版。メンバ単位読み書きは PDS と同じ | 対象 (テキストのみ) |
| VSAM | キー付きレコード形式。PDS とは構造が異なり、メンバ概念がない | 対象外 (§G T22) |
| USS | UNIX System Services 上のファイル (zFS、HFS) | 対象環境に存在しないため対象外 (SSOT ④) |
| ボリューム単位 | VOLSER 単位で取得 (数 GB 規模) | 3270 経由では数時間〜数日要するため対象外 (§G T24) |
| RECFM=U | ロードモジュール等の不定長レコード。3270 で取得しても可読テキストにならない | 対象外 (§G T23) |